きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ナドアルシバ慕情

ようこそいらっしゃいませ。

日曜東京のヒヤシンスSをまたもや完勝したゴールデンバローズが、ドバイのUAEダービー出走を熱望しているそうです。とにかく強いです。緒戦の芝2着は仕方がないとして、そこからの3戦はパーフェクトでした。2戦目の未勝利は逃げて芝の走破時計より速いレコード勝ち。次が好位からグイッと伸びる横綱相撲で出遅れたヒヤシンスSは後方から一気に追い込んでまだ余裕残しのゴール板と同じ馬とは思えない多彩なパフォーマンスを見せてくれました。

ジョッキーが3戦とも違うのも感心しました。世界の頂点ライアン・ムーア騎手、日本のリーディング戸崎圭太騎手、石橋脩騎手もいつも調教で乗っているでしょうから、何の不安もないのでしょうが、レース展開が変わろうが、鞍上が交代しようが、まったく動じない精神力は若駒離れしています。これなら海外遠征による環境変化も平気の平左でしょうね。種付け料が昨年の15万ドルから今年30万ドル=約3600万円へと倍増して世界中のホースマンの熱視線を浴びているタピット産駒というのも話題を盛り上げるでしょう。ぜひ招待していただきたいです。

UAEダービーといえば、日本馬は2006年のフラムドパシオンの3着が最高。ナドアルシバで開催されていた時代のことです。あのレースが史上最高のUAEダービーだったと思います。何しろ出走馬に後のドバイワールドCホースが2頭もいたレースでした。インヴァソール、ウェルアームドがその馬ですが、フラムドパシオンはそれら強豪に堂々先着しています。前者はワールドC、BCクラシックを含めてG1を勝ちまくり、UAEダービーが生涯唯一の敗戦でした。後者はカジノドライヴと一緒に走り、硬い馬場もあったのですが、2着以下に14馬身差の独走劇を演じました。これらをまとめて負かしたディスクトリートキャットも速い馬でした。故障がなければ歴史的名馬に成長していたはずです。いずれにしろ、ゴールデンバローズにはぜひ出かけてもらって、後の世に思い出話ができるような名レースを実現してほしいものです。

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