きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

香港からの刺客

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日本のファンにとっては春の訪れを告げるドバイミーティング、昨日は世界最高賞金レース・ドバイワールドCの展望をお届けしましたが、今日はハープスター、ワンアンドオンリーが腕を撫すシーマクラシック芝2410mの強敵を探ってみます。

アメリカ生まれでイギリス育ち、再び故郷に戻って素質開花させたメインシークエンスの前評判が高いようです。日本に輸入されているミスプロ系スプリンターのアルデバラン産駒ですね。父はダートスプリンターとして鳴らしましたが、この馬はピヴォタル、カーリアン、シャーリーハイツと欧州血脈で固めた母系の影響が濃いのか、英ダービー2着など2400m路線で実績を残してきました。しかしやたらと2着が多かった(12回)父同様の勝みの薄さが泣きどころ。ところが新天地を求めて故国アメリカに移籍するとG1をいずれも接戦で4連勝するなど馬が変わったように勝負強さを発揮し始め、古馬部門と芝部門のダブルタイトルを獲得しました。

ただアメリカの芝実績馬はBCターフ馬マジシャンが昨年のシーマでジェンティルドンナの6着に敗れているように、レベル的に疑問符も付きます。それならむしろ今や世界で一番勢いのある香港競馬、そのヒーローの座を固めつつあるデザインズオンロームに未知の魅力があふれています。香港Cやクイーンエリザベス2世Cなどの国際G1を勝ち、本質的には2000mランナーなのでしょうが、ノーザンダンサー4・4×4のカンバスにリボー、ナスルーラ、プリンスキロのそれぞれ5×5のクロスを織り込み、スピード×底力×切れ味と何とも欲ばりな血統構成です。ハープスターとの直線の追い比べは、さぞかし見ものでしょうね。

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