きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ようこそいらっしゃいませ。

先週の香港国際競走は日本馬8頭が挑戦し最高で3着までの結果でした。
このレースに日本馬が勝つにはトップクラスが行かないと難しいようです。
フリントシャーのような欧州一流馬の参戦も理由の一端なのでしょうが、
本質は香港馬のレベルが格段に上がってきているのが一番の要因です。
実力紙一重なら、万全の態勢で臨めるホーム側に利があるのは明白ですね。
トライアル最下位から大逆転優勝したマイルのエアロヴェロシティのように
彼らは本番志向の作りをしてきます。勝負への意気込みが違うようです。

日本馬で最初に香港国際競走を勝ったのは95年のフジヤマケンザンでした。
日本国内では中山記念と金鯱賞などG2を勝っている一流クラスでしたが、
G1では宝塚記念5着が最高でトップクラスの一枚下くらいの格付けですね。
ところがその頃から香港は競馬ブームとともに馬の質も飛躍的に向上し、
それまでヨーロッパで少し足りない馬のやりくりでレベルを保っていたのが
デビュー17連勝の快進撃で香港の英雄になったサイレントウイットネス、
香港マイル3連覇のグッドババ、日本に逆上陸して安田記念をかっさらった
フェアリーキングプローンなど香港生え抜きの馬が大活躍するように変化。
オラが馬の獅子奮迅の戦いにファンが興奮し感動しないわけがありません。
最高峰レース・香港カップの王者デザインズオンロームも2歳時の数戦だけ
アイルランドで走っていますが3歳初戦からはずっと香港を庭にしています。
地元育ち同然で、ヒーローとして人気が沸騰するのも良く理解できます。

近年、香港競馬の売上、入場人員が急成長し大発展が伝えられています。
アメリカで馬券発売するマーケティング努力も大きな効果を生みましたが
ファンを熱狂させるヒーロー創出に力を注いできた成果なのだと思います。
そして国際レースに勝つことこそヒーロー誕生の最高の機会でしょう。
なぜ地元香港馬が目の色を変えて勝ちに来るか分かるような気がします。
日本馬も参戦するなら勝てる馬が行かないと意味がないかもしれません。
日本競馬が学ばねばならないこと満載の今年の香港国際競走でした。

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