きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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先週の愛オークスは未勝利馬のチキータに凱歌が上がりました。2戦目に勝利寸前で生垣にダイヴして競走中止の憂き目に合うなど真っ直ぐに走ったことがないとんでもないお転婆さんです。未勝利とはいえ仏オークスで2着していた紛れもない実力派。この馬を4馬身ちぎった仏オークス馬トレヴの強さを逆に際立たせた結果になりましたね。

一方、英レスター競馬場でテレスコープというガリレオ産駒が軽い相手とはいえ24馬身というブッチギリ劇を演じました。有力視されていたダービーを怪我で棒に振って以来の復活です。凱旋門賞戦線にまた1頭、不気味な伏兵が台頭してきましたね。

名門サー・マイケル・スタウト厩舎の管理馬で馬主はハイクレアサラブレッドレーシングという共同所有組織、このコンビはかつてハービンジャーを送り出していますね。彼は日本に買われ今年の1歳馬が初年度産駒となります。

さて今週は、3年前にハービンジャーが歴史的ブッチギリを魅せたキングジョージ6世&クイーンエリザベスSが注目レースです。凱旋門賞へ残された最大のハードルと言って良いのでしょうが、今年は古豪2騎が主役を張りそうな戦前のムードになっています。

今季2戦2勝と絶好調なセントニコラスアビーはドバイシーマクラシックでジェンティルドンナに追撃されながら最後まで寄せ付けなかった末脚は貫録でした。強いです。と思っていたら直前の調教中に大怪我を負いそのまま引退とか。残念です。生死も危ぶまれる重傷のようですが、何とか元気に貴重なモンジューの血を伝えてほしいものです。

急遽の本命は久々を叩かれて上昇気配のシリュスデゼーグル。昨年のレイティングは絶対王者フランケルに次ぐ実力馬です。フランス調教馬ですがセン馬で凱旋門賞に出走権がなく、セン馬に寛大なイギリスG1を狙い澄ましての参戦となりました。

オッズ急上昇はドイツのノヴェリストというモンズーン産駒。前走の仏G1サンクルー大賞を余裕で押し切り力を付けています。9戦7勝2着1回と底らしい底を見せておらず大物感が漂います。今年の英ダービーにショパン(7着)を送り込んだヴェーラー調教師、ノヴェリスト(小説家)ではどんな物語を描いてくれるのでしょうか。

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