きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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まずは先週のおさらいから。土曜のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSは、ドイツ調教馬ノヴェリストが5馬身差で驚異的レコード勝ち。凱旋門賞戦線波高しといったムードが漂ってきました。それにしてもこのドイツ牝系は実に良く走ります。先日のベルリン大賞を勝ったニンフェア、独オークス、バーデン大賞を制し現在はノーザンファームにいるナイトマジックはディープインパクトの1歳牡馬を出しています。

日曜のドーヴィルで行われた牝馬マイルG1ロートシルト賞は、吉田照哉さんの愛馬イリューシヴケイトが連覇を飾りました。これでG1は4勝目ですから名牝の域に達しましたね。この馬もやがては社台ファームに来てくれるのでしょうか。楽しみが膨らんでいきます。

吉田さん一族も凄いのですが、いま世界中のホースマンから驚きの眼で見られているのがカタールのジョアン殿下です。1000ギニー馬フロティラ、2000ギニー馬スタイルヴェンドーム、今年のフランスクラシック両馬を購入したと思ったら、仏オークスを圧勝したトレヴまで手に入れてしまいました。この馬、凱旋門賞でオルフェーブルのライバル視されています。さらに世界の名手デットーリ騎手と専属契約を結びました。カタールは凱旋門賞のスポンサー、もう本気度全開ですね。

さて、今晩のマイル頂上決戦サセックスSにそのジョアン殿下にトレードされたトロナドが出走してきます。セントジェームズパレスSでマイル以下は8戦8勝の最強馬ドーンアプローチを写真判定にまで追い詰めた馬です。

ところが小頭数とは言え取り巻く情勢は簡単ではありません。ご存じのようにドーンアプローチはゴドルフィンに買われています。このレースにはハヤ王女のグレゴリアンに加えて、ボルジャー厩舎の僚馬レイティルモアも出走してきます。トロナド包囲網は完璧の上にも完璧と思わざるを得ません。

3歳両馬の再対決にいやが上にも注目が集まりますが、クイーンアンSを勝った古馬代表デクラレーションオブウォーはクールモアが送り込む刺客と言ったところでしょうか。ジョアン殿下、ゴドルフィングループ、クールモア、世界の競馬シーンをリードする大オーナー同士の激突です。楽しみな結果は明日お届けしたいと思います。

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