きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2011.1.23

ようこそいらっしゃいませ。

名牝ミエスクが亡くなったそうです。競走馬として繁殖牝馬として歴史的な仕事をした馬です。1984年生まれですから27歳、立派な生涯でした。

ヌレイエフの娘であった彼女は快速ぶりを発揮し、16戦12-3-1-0、BCマイル連覇を含みG1を10勝しています。この偉大な記録は、昨年ゴルディコヴァがBCマイル3連覇を含むG1を12勝するまで不滅の記録でした。時代が違うので比較するのは無理なのですが、2頭とも傑出した能力を持ち健康なサラブレッドで、ホースマンの理想型のひとつがここにありそうです。

引退後の彼女はレーンズエンドファームに繋養されます。この牧場は昨年、当協会の研修で訪れた名門牧場で詳しくは『馬事叢論』でご報告させていただいています。お時間があればそちらも覗いてみてください。

さて、彼女はここでも大仕事をすることになります。大種牡馬ミスタープロスペクターとの間に生まれた初仔はキングマンボと名付けられ一流マイラーとして活躍します。種牡馬としてはさらに素晴らしく、初年度産駒からエルコンドルパサーを輩出しています。産駒が最初から走るのはミエスクの血のなせる技でしょうか。

もう言い古されているようにキングマンボの素晴らしさは、2歳時から能力を全開させ、歳を経ても衰えることなく、芝でもダートでも、配合によっては中長距離にも適性を示し、ヨーロッパ、アメリカ、そして日本でも活躍馬を出す幅の広さ、奥の深さにあります。これもフランス、イギリス、アメリカを転戦し、どこでも能力を光らせたミエスクから伝えられたのでしょうか。

エルコンドルパサーは惜しくも早逝してしまいましたが、芝の菊花賞をソングオブウインドがレコード勝ちし、ダートではヴァーミリアンやアロンダイトを出すなどさすがミエスク⇨キングマンボらしい活躍を見せました。

キングカメハメハは昨年のリーディングサイアーに輝きました。ローズキングダム、アパパネの頑張りは、2歳から走り、その後も能力を衰えさせないキングマンボの血の素晴らしさを確実に伝えています。

さて、ミエスクなきレーンズエンドファームには、今年からゼニヤッタが繁殖として繋養されます。歴史的名牝の後継としてこれほどふさわしい馬はいませんね。糸を紡ぐように伝承されていく競馬のロマン、ずっと見続けていたいと思います。