きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2013.9.1

ようこそいらっしゃいませ。

8月30日、社台スタリオンステーションで繋養されていたトウカイテイオーが急性心不全のため亡くなりました。

トウカイテイオーは、無敗の三冠馬シンボリルドルフの初年度産駒で、きれいな流星が顔に刻まれていたこともあり早くから皇帝2世として期待を集めた馬でした。

トウカイテイオーは1990年12月にデビュー。シクラメンSと連勝し、その期待は高まりを魅せていきます。翌1991年はまさにトウカイテイオーの年でした。無敗で皐月賞を制覇すると、単勝1.6倍の圧倒的指示を受けたダービーでは単枠指定の大外20番枠からの発走もダービーポジションから直線で他馬を抜き去り父シンボリルドルフにつぐ無敗のダービー馬に輝きました。

トウカイテイオーはレースだけでなく骨折とも闘った馬でした。

ダービー後に右後肢の骨折が判明し菊花賞を断念。4歳時、骨折明けの大阪杯を持ったままで完勝し復帰するも、メジロマックイーンとの激突となった天皇賞(春)後に再び骨折が判明。休養後に挑んだ天皇賞(秋)ではレッツゴーターキンの7着に敗れてしまい、次走のジャパンカップは5番人気でレースを迎えることとなりました。

この年のジャパンカップは国際G1となって初のレースでした。全欧年度代表馬に全豪年度代表馬、英ダービー馬と豪華なメンバーが揃う中、トウカイテイオーは直線で前を走るナチュラリズムをクビ差とらえ優勝。東京競馬場の17万人の観衆を熱狂の渦に巻き込みます。

完全復活と思われていたトウカイテイオーでしたが、有馬記念では11着と大敗。その翌年再び骨折が判明し、長期休養を余儀なくされました。

トウカイテイオーの祖母トウカイミドリも大きな怪我を克服した馬でした。未勝利戦を勝ったあとのエリカ賞を走り、その後の調教中にヒザを骨折。自力で寝起きできないほどの大怪我で予後不良の診断がくだされるも、所有する内村正則さんの生かしたい想いが関係者に通じ、治療がつづけられ激痛で眠れないほどの状態から奇跡的な回復を魅せたのでした。

トウカイミドリはその後繁殖入りし、オークス馬トウカイローマン、そしてトウカイテイオーへとつながるトウカイナチュラルらをこの世に送り出していきます。

オーナーの内村正則さんの想いによって生かされた祖母トウカイミドリの精神力が再びトウカイテイオーに宿ったのは1993年の有馬記念でした。前年の有馬記念からの1年ぶりとなるレースでトウカイテイオーは、菊花賞馬ビワハヤヒデを捉え優勝。不屈の闘志で、常識をくつがえすレースを魅せたのでした。この長期休養明けG1制覇は、最長期間記録としていまなお破られていません。

トウカイテイオーは25歳でした。安らかに眠ってください。