きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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古豪シリュスデゼーグルが今季5戦目で初勝利を挙げました。格下も格下、メゾンラフィットCというG3のレースです。せん馬に出走条件の厳しい仏競馬界で随分と苦労しました。欧州チャンピオンに君臨した全盛期の力は無理でしょうが、また一枚、役者が揃った喜びはあります。頑張ってください。

さて、凱旋門賞のゲートインまで秒読みが始まりました。思えば昨年の今頃は青天の霹靂(へきれき)というか、誰も想像できなかったアクシデントで大混乱でした。連覇をめざすデインドリームが在厩していたケルン競馬場で馬伝染性貧血症が発生し移動禁止の措置が取られたからです。サンクルー大賞を叩き、キングジョージ、バーデン大賞を連勝、絶好調だった牝馬には気の毒すぎる災難でした。けっきょく彼女は引退、イギリスに渡りフランケルと交配の上、日本の社台ファームで出産というプランが立てられました。幸いにもフランケルとの仔を受胎したと伝えられ、馬名どおり、いつも良い夢を見させてくれる馬ですね。

そう言えば、2度目の頂上制覇に向かう彼女のローテンション、どこかで見た記憶がありませんか?そう、今季のノヴェリストの蹄跡と瓜二つなんです。サンクルーで彼女は負けましたが、彼は完勝しています。キングジョージ、バーデンも土つかずでG1を3連勝中です。こんな馬、今年のヨーロッパには他にいません。ところが、この強豪中の強豪、凱旋門賞のブックメーカー前売りオッズは意外に低人気。オルフェーヴル、牝馬のトレヴに大きく水をあけられ、キズナと大差のない3番手という評価になっています。オルフェーヴルやキズナを褒めてくれるのは嬉しいけれど、これだけの馬が低評価なのには首を傾げてしまいます。

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