きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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1990年の皐月賞馬ハクタイセイが亡くなりました。ハクタイセイの父はハイセイコーで大井から無敗で中央へ移籍し、競馬ブームを生んだ国民的アイドルホースです。そのハイセイコーは、弥生賞、スプリンターズステークス、皐月賞、NHK杯と無敗で制し、ダービーへと向かいます。

ダービー当日、ハイセイコーの単勝支持率は当時ダービー史上最高となる66.6%を集め、テレビ視聴率も20%を超えました。しかしハイセイコーはタケホープの3着に敗れます。この敗退によってさらに人気は高まり、劇作家・寺山修司からダービー観戦記「英雄の存在しない時代」、「さらばハイセイコー」などの名文を引き出していきます。

そのハイセイコーは種牡馬となって1979年のダービー馬カツラノハイセイコを送り出しましたが、それ以後は、産駒のG1勝利からは遠ざかっていました。ハイセイコーの血を受け継いだハクタイセイは、5戦目で初勝利をあげると、400万下、シクラメンステークス、若駒ステークス、きさらぎ賞と勝ち、皐月賞へと駒を進めます。

この年の皐月賞は共同通信杯馬アイネスフウジン、スプリンターズステークス馬アズマイースト、弥生賞馬メジロライアン、毎日杯馬キーミノブなど、前哨戦を勝った馬が皐月賞に順調に駒を進め、人気も割れたレースでした。そんな中で3番人気に支持されたハクタイセイは、直線で前を走るアイネスフウジンをクビ差とらえて優勝。11年ぶりにハイセイコーへG1タイトルを贈ったのでした。

ダービーを走った後、長期休養にて現役を引退したハクタイセイは種牡馬の道を進み種牡馬引退後は静内種馬場で繫養されていました。今年26歳。安らかに眠ってください。

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