きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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お正月2日目、いかがお過ごしでしょうか。お屠蘇気分で馬券検討は競馬ファンの醍醐味の一つです。

さて、昨年の朝日杯フューチュリティSの覇者アルフレードは、ステイヤー資質の強かったアンバーシャダイの全妹で快速王サクラバクシンオーを生んだサクラハゴロモの曽孫です。もともと社台血統の馬なのですが、故境勝太郎調教師の懇請で社台ファームからさくらコマースに3年間の約束でリースされた馬だったそうです。

牧場に戻ったハゴロモはサクラバクシンオーを輩出し、やがてノーザンファームに移ってバクシンオーの全妹ラトラヴィアータを生みます。オーナーは吉田勝己さんです。

ラトラヴィアータとはオペラ『椿姫』の原題です。《堕落した女》という意味だそうです。主人公ヴィオレッタが娼婦であることを暗喩しています。吉田さんもずいぶんと酷い馬名をつけたものです。

ところが良く考えてみると“酷い馬名”には物語がありました。ここからは想像の域なので間違っているかもしれませんが、日本各地には“羽衣伝説”が流布されています。地上に舞い降りた天女が水浴びしている姿を盗み見て、そのあまりの美しさに魅かれた男が、羽衣を隠して天上に戻れなくしてしまうというのが発端です。

伝説には諸説ありますが、羽衣を失い天に戻れなくなった天女(ラトラヴィアータ)は、地上にとどまり結婚し子を授かり幸せになるという筋立て、これが一般的なようです。では、牝馬のラトラヴィアータの運命は?このお屠蘇気分話の続きは、また明日ということで。

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