きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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ヨーロッパのクラシック開幕戦の英2000ギニーはエイダン・オブライエン厩舎のキャメロットが制しました。鞍上はオブライエン師の19歳の長男ジョセフ騎手で彼は今日の1000ギニーの大本命メイビーの主戦でもあり、クラシック連勝の偉業を達成するかもしれません。“親の七光り”どころではない見事な若武者ぶりです。

昨年の英ダービーを19歳で勝ったミカエル・バルザローナ騎手は、今年はゴドルフィンと契約、ドバイワールドC制覇するなど素晴らしい活躍を続けています。ベテランが健在のヨーロッパにも世代交代の風が吹いてきた?

さて、キョメロットは父モンジュー、母父キングマンボの血統、今年3月に亡くなった父の弔い合戦だったわけですが、母系を遡ると17代目にキンツェムがいることでも話題です。54戦54勝の歴史的名馬で地元ハンガリーだけではなく、ドイツやフランスに遠征しながらの本物の強さです。思いがけない遭遇を楽しめるのも競馬の醍醐味ですね。

日本でも先日の皐月賞を勝ったゴールドシップの8代母が1931年に下総御料牧場が輸入した星旗でした。星旗は持込みのクレオパトラトマスが帝室御賞典を勝ち、その半弟クモハタはダービー馬でリーディング6回と日本の競馬に大きな蹄蹟を残した名馬として知られます。海外遠征の先駆けハクチカラもこの一族の出ですね。

若手ジョッキーの台頭という新しい風と、連綿と伝えられてきた名馬たちの血脈と、競馬というものの奥の深さを感じるゴールデンウィークです。

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