きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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明日は前半戦の締め括り宝塚記念が行われます。このレースは3歳馬に5キロのアドバンテージが与えられ非常に有利な設定になっているのですが、最高が02年ローエングリンの3着でパッとしない結果です。約1ヶ月に開催されるキングジョージと良く比較されるのですが、あちらは61年間に28頭の3歳馬が勝利を収めています。こちらとあちらの極端な差は何なんでしょうか?

ひとつには強くて優秀なサラブレッドは早くに引退して種牡馬入りする傾向がずっと続いてきたからでしょう。超一流馬がいなくなった古馬陣に対して5.5キロのアドバンテージを貰ったイキの良い3歳馬、こんな構造が3歳馬優勢の伝統を育んできました。

もうひとつは競馬のカレンダーが違うことです。今年はダービーの翌週から新馬戦がスタートしてずいぶん早いなぁ、と感心したりしていますが、向こうはシーズン開幕の3月頃には2歳戦が組まれています。先日のロイヤルアスコットのG2コヴェントリーSをニューアプローチ産駒のドーンアプローチが勝ちましたが、彼はこれで4戦4勝という通算成績です。この時期にです。競馬のカレンダーが少なくとも3ヶ月は早いのです。

こうなると仕上げ方や血統そのものに対する考え方もまるで違うものになってきます。本来は中長距離向きと思われていたガリレオにデインヒル牝馬を配合して生まれたフランケルは目下11連勝中と歴史的名マイラーの道を歩んでいます。そのガリレオ産駒のダービー馬ニューアプローチが父のドーンアプローチも母父が早熟な短距離馬フォーントリック、とはいえ4代目にノーザンダンサーとアイスカペイド、二アークティック×ネイティブダンサーの同配合馬を持つ彼の場合は単純な早熟馬ではないように思いますが。

キングジョージと宝塚記念の違いは、競馬の歴史とか考え方の違いが現れいるのでしょうね。その意味では日本と欧米の差は簡単ではないでしょう。この続きは明日お届けすることにします。

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