きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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上半期G1シリーズはオルフェーヴルの復活優勝で幕を閉じ、今週から本格的に夏競馬となります。福島ではラジオNIKKEI賞が、中京ではCBC賞が予定されています。

注目は1年ぶりに福島に戻ってきたラジオNIKKEI賞。3歳世代の競走馬たちにとっては、秋季G1競走へのステップアップとなる重要な一戦です。昨年は福島競馬場修繕工事にともない、中山競馬場で行われた本競走ですが、福島へ移設以前、中山で行われていた歴史もあります。

福島へ移設される前々年77年の日本短波賞時代に1頭の怪物がこのレースに出走し、優勝します。その馬こそ平地競走8戦全勝の大記録を残したマルゼンスキーです。マルゼンスキーはなみいるライバルたちに自慢の快足で勝ち続け、あまりの強さにマルゼンスキーが出走するレースは出走登録が少なく、レース成立さえ危ぶまれた過去があります。

その驚異的な強さから、競馬雑誌『優駿』創刊50周年のアンケートにおいて、史上最強馬5位タイに選ばれており、ある競馬評論家は「重賞を遊んで勝てる唯一の馬」とマルゼンスキーを評しています。

マルゼンスキーは持込馬ゆえに、当時クラシックへの出走資格がありませんでしたが、実際に走る事ができたのなら、どのような結果になっていたのでしょうね。主戦であった中野渡清一騎手が「28頭立ての大外枠でもいい。賞金なんか貰わなくていい。他の馬の邪魔もしない。この馬の力を試したいからマルゼンスキーに日本ダービーを走らせてくれ」と語った有名な逸話があります。

今後を占う大事な一戦、どの競走馬が輝く未来を手にすることができるのか、3歳馬限定のハンデキャップ戦に今から期待が高まりますね。

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