きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2012.7.25

ようこそいらっしゃいませ。

先日、NHK「クローズアップ現代」で98歳で亡くなられた音楽評論家・吉田秀和さんを取り上げていました。

クラシック音楽の評論家として活躍した吉田秀和さんは、日本のクラシック音楽界に「評論」という形で関わり、音楽評論の分野を確立しただけでなく、評論を通じて小澤征爾さんや中村紘子さんなどの日本を代表する世界的音楽家を育てたことでも知られています。音楽の持つ魅力を感覚的にとらえ、豊富な知識と深い洞察で多くの音楽批評を世に残しました。

1983年。世界的なピアニスト ホロヴィッツが日本へ来日。世の多くの人に吉田秀和さんの名が知れ渡るきっかけが訪れます。多くの聴衆や評論家が拍手でホロヴィッツの日本公演を絶賛する中、吉田秀和さんは鍵盤のミスタッチを指摘し、「ひびの入った骨董品」と紙面で綴り一刀両断します。それは、流行に流され、大演奏家というだけで称賛し、自分で判断する能力を失った人々への冷水でもありました。実際ホロヴィッツはこの来日では体調が思わしくなく、本人もこの初来日での不調を気に病み続けていたとされています。

さて競馬に話を進めると、時に前走の勝ちぶりから出走馬への過剰な期待をしたり、前評判や馬柱の印だけで馬の実力を判断してしまうことが往々にしてあります。それが競馬の魅力のひとつと言えばそうかもしれませんが、ふと自分の予想に立ち返り「そこに自分の考えはあるのか」そう思うだけでも、出走馬の捉え方が違ってきそうです。それが競馬のおもしろさを深め、馬への洞察力を深めるそんな思いで、今週の競馬を楽しんでみてはいかがでしょうか。