きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ようこそ中山へ。

ジャパン・オータムインターナショナルという制度をご存じですか。エリザベス女王杯、マイルチャンピオンシップ、ジャパンC、そしてジャパンCダートが対象レースで、そこに海外の一流馬を勧誘しようというインセンティブ制度です。

指定の海外G1レースを勝つなどいくつか条件がありますが、簡単にいうと勝てば1着賞金が倍になります。それらの馬は招待扱いになりますからアゴアシ付きの厚遇、海外の一流馬にはいかにも美味しいシステムですね。

ということで、ことしはエリザベス女王杯に英愛オークスを連破したスノーフェアリーがエントリー、マイルチャンピオンシップにはカンフォードクリフスが。カンフォードクリフスは、愛2000ギニー、セントジェームスパレスS、サセックスSとマイルG1を3連勝中の3歳強豪です。11タイトルのG1を勝っている女傑ゴルディコヴァ、彼女をジャックルマロワ賞で撃破したマクフィと並んでヨーロッパのチャンピオンマイラー3強の一角を占めています。バリバリの超一流馬といって差し支えない存在です。

日本の馬場への適性という課題はありますが、先週のスプリンターズSで少し格下かもと思われた香港のウルトラファンタジーに簡単に勝たれてしまったように、ホームの有利さを生かすのもなかなか難しいものがあります。

こうしたボーナスという制度には議論の余地がありそうです。単純に賞金総額を倍にして日本馬も遠征馬も五分の条件で競い合えばいいじゃないかというのも一理あります。ファンに強い馬の強い競馬を見せようというJRAの努力は評価されていいと思いますが、議論を深める必要がありそうです。

×