きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ようこそ中山へ。

雨が降りつづいています。46年前のきょう、東京オリンピックの開会式が行われました。なぜ10月10日かというと、気象庁の人かなんかが時代をずっとさかのぼって、10月のお天気を調べまくったそうです。すると10月10日が晴れの確率がいちばん高いことが分かったそうなんです。

前夜の東京は台風の影響で小雨が降りつづいていたそうです。調べた人は夜も眠れなかったでしょうね。ところが翌朝は抜けるような青空が広がる快晴。

NHKのテレビ中継を担当した北出清五郎アナウンサーは、『世界中の青空を全部東京に持ってきてしまったような、素晴らしい秋日和でございます』と感きわまる名言を冒頭に述べたそうです。

お天気を調べた人がどこで何をしていたか分かりません。でも、朝起きて雲ひとつない空を見上げた瞬間に、もうオリンピックが終わったような達成感があったでしょうね。

スポーツの素晴らしさ、競馬の醍醐味は、この“達成感”ってことにあるような気がしています。

自らを限界ギリギリまで追いつめてそこに挑戦する。調教師や騎手やオーナーはそのために努力を尽くし、ファンは自分を重ね合わせて馬券を握りしめる、結果は二の次、そこには経験したこともないような不思議な“達成感”が広がるに違いありません。何年やっていても古びない、飽きない魅力です。

生憎、東京も京都も良馬場は望めそうにありませんが、力を尽くしたいいレースを見せてください。

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