きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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明日20日はヨーロッパ競馬の総決算・チャンピオンズデーがアスコット競馬場でエリザベス女王をお迎えして開催されます。2つのG1、クイーンエリザベス2世S、チャンピオンS、2つのG2、スプリント、フィリーズアンドメアーズ、1つのG3、ロングディスタンスと計5レースで各カテゴリーのチャンピオンを争う仕組みです。G2、G3といっても昨年から新設されたレースばかりでいずれはG1に昇格するものと思われます。

今年の、というより少なくとも今世紀最大のハイライトはフランケルの引退レースとなるチャンピオンSですね。13戦13勝、まさに無人の野を天翔るスーパーホースです。前走で10ハロンも克服して無敗のままターフを去るのでしょう。

大差続きのフランケルにもっとも近づいた馬はデビュー戦で半馬身差まで迫ったナサニエルでした。彼はアスコットが大得意で馬場も重めの方が力を出せます。週中に豪雨に見舞われ当日は不良ないし重馬場のようです。デビュー戦の無念を引退レースで晴らすのでしょうか。

重の鬼として有名なフランスのシリュスデゼーグル。昨年のこのレースを勝ちヨーロッパチャンピオンに輝きました。向こうでは打倒フランケルの筆頭候補に挙げられています。

今や珍しくなったトウルビヨン系のサラブレッドです。この系統の種牡馬は多くが日本に輸出され、パーソロンを通じて一大勢力を築き上げました。天皇賞を3代制覇したメジロアサマ、ティターン、マックイーン、この偉大な血も最後の後継馬ホクトスルタンが先日亡くなり、どうやら父系としては途絶えてしまいそうです。パーソロンの代表産駒シンボリルドルフの子孫も振るいません。

ならシリュスデゼーグルが名門再興を果たすのかといえば、悲しいことに彼はせん馬、凱旋門賞にも出られませんでした。もうフランケルを倒して歴史に名を残すしかない?鞍上のオリビエ・ペリエ騎手ともども不気味ですね。

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