きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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ご承知のようにアメリカ競馬が酷いことになっています。ケンタッキーダービーとプリークネスSの1、2着馬であるアイルハヴアナザー、ボーディマイスターが早々と引退と思えば、ベルモントSの1、2着馬ユニオンラグズ、パインター、昨年の2歳チャンピオンのハンセンまでがリタイアという惨状です。

考えてみればここ3年連続、09年のレイチェルアレクサンドラ、10年ゼニヤッタ、11年ハヴァードグレイスと牝馬が年度代表馬。レイチェル、ゼニヤッタなんかは歴史的名牝であり、栄光の座も当然なんでしょうが、牡馬勢の影が薄いのも確かです。

こんな状況の中でブリーダーズカップ(BC)が開幕します。となると飛車角抜きの顔ぶれのBCクラシックより興味深いのは牝馬のレース、ダート9Fのレディークラシックと、芝10Fのフィリー&メアターフということになります。両レースとも初日2日に行われます。

レディークラシックはエンパイアメーカー産駒で連覇を狙うロイヤルデルタが人気を集めているようです。前走のG1ベルデイム招待Hは9馬身半差の圧勝でした。牡馬相手のクラシックへ出ても有力視されるほどの実力馬です。でも今年も牝馬の層は厚く、3歳牝馬二冠のクエスティング、6戦6勝、うちG1を3勝と不敗のマイミスオーレリア、復活した一昨年のBCジュベナイルフィリー馬オーサムフェザー、上位勢は紙一重と言って良く激戦が期待されます。

フィリー&メアターフはヨーロッパ勢が大挙乗り込んできました。本命視されるザフーガは秋に本格化した3歳馬ですね。オペラ座の怪人などの作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバー氏のオーナーブリーダーホースです。なるほどフーガという音楽用語を引いた馬名も納得です。ナーレインは昨年のオペラ賞馬でこのレースは2着でした。今年は前哨戦フラワーボウル招待Sを勝っての参戦です。先だってのオペラ賞を勝ったリダシーナも有力圏内でしょうね。

地元勢では今季好調なマーケティングミックスなのでしょうが、ひそかに上がり馬インランジェリーに注目しています。名匠トッド・プレッチャー調教師に大事に育てられ、前走スピンターSでG1初制覇したエンパイアメーカー産駒です。4分の3同血の妹レッドファンタジアが今週の京都でデビュー、姉妹の揃い踏みが洋の東西で見らてると良いですね。

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