きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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『彼はイギリス競馬における偉大な伝道師であり、これまで競馬に興味がなかった人を含め多くの人々の心を掴んだ』

14戦14勝、うちG1が10勝、つけた着差の合計が76馬身余りと圧倒的なパフォーマンスでヨーロッパを制圧し、2年連続でカルティエ賞年度代表馬に輝いた愛馬フランケルをサー・ヘンリー・セシル調教師はこう讃えています。

セシル師はイギリス競馬と表現していますが、テレビやネット中継を通じてフランケルの偉業は、世界の隅々まで広く伝えられています。彼は何億、いやそれを超える数の人々を興奮させ感動させたサラブレッドとして歴史に名を刻むことになるのでしょう。この効果に注目するレーススポンサーも世界規模で増えています。名馬とそれを愛する無数の人々が競馬の発展を後押ししています。

そして選考委員会は名馬を支えた存在も忘れませんでした。チーム・フランケルとしてスタッフが特別表彰されたのです。オーナーブリーダーのアブデューラ殿下のスタッフ、厩舎スタッフ、そして調教パートナーでありペースメーカー役を勤めた半兄ビュレットトレインもチームの一員に加えられています。微笑ましく、競馬の本質を捉えた良い表彰だったと思います。

さて、日本ではいよいよ秋競馬が佳境に入ります。G1レースだけではなく新馬戦なども充実してきました。競馬の楽しさ素晴らしさを体現する伝道師たちがぜひ現れてほしい、そう願わずにはいられません。

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