きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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サクセスブロッケンが引退を決めたようです。もともと脚元に不安を抱えていた馬で、藤原英昭調教師も慎重な上にも慎重を期してデビューから負担の少ないダートを使ってきたものです。

ダート戦線はカネヒキリやヴァーミリアンのように8歳くらいまで元気に走り続けるのが普通ですが、ブロッケンはまだ6歳。でもここまでよく頑張ってきました。ファンが多く、出走すれば人気になる馬ですから、藤原調教師の判断も素晴らしいものだったと思います。

忘れられないのは一昨年のフェブラリーSでしょうか。7歳になってますます元氣なカネヒキリ、ヴァーミリアンが上位人気を占める中で、明け4歳のフレッシュトリオカジノドライヴ、エスポワールシチー、サクセスブロッケンが挑戦するという構図でした。

逃げるエスポワールを見ながらカジノは後方を意識したのか追い出しをギリギリまで我慢しているように見えました。そしてゴール前で満を持して抜け出したカジノの外から内田博幸騎手のブロッケンが襲いかかります。古豪カネヒキリもさすがに強く内一杯を伸びてきます。

クビ、アタマ差の激闘を制したのはブロッケンでした。すんでのところで金メダルを取りこぼしたカジノが2着。逃げたエスポワールも4着に粘っていました。世代交代を高らかに告げた一戦だったと思います。

カジノドライヴは屈腱炎で長い休養に入ってしまいましたが、その後にエスポワールシチーが見せた無人の野をいくような圧巻の連戦連勝パフォーマンス、休みがちでも東京大賞典で意地を見せたブロッケン、この世代のトップクラスの能力は相当に高いものがあります。そういえばスマートファルコンも同期生ですね。

今年もフェブラリーSの季節がやってきました。ブロッケン、ファルコン、エスポワールの姿はありません。屈腱炎明けのカジノドライヴが出走を熱望しているようですが、有力馬不在とあって出馬ラッシュが予想され、賞金不足でゲートインが叶いそうにもありません。ちょっと寂しいフェブラリーSになってしまいそうです。

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