きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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F1のバーレーンGPの中止が決まったようですね。反政府デモの激化による政情不安が原因とされています。バーレーンはサウジアラビアのお隣に位置する島国ですが、広大なオアシスが存在し《エデンの園》はここにあった、という言い伝えもあるほどです。

他の中東諸国と比べるとイスラムの戒律も自由度が高いようで、酒も飲めるし、女性の顔を覆うヴェールも必要ないそうです。近隣の国は禁酒が厳しくルール化されており、週末には酒を求めてやって来る観光客でにぎわうようです。国民は石油収入のお陰で税金はタダ。話を聞く限り“現代のエデンの園”のようなこの国にいったい何が起きているのでしょうか。

騒乱の根底にあるのは、これまでこの国を支え続けてきた石油の枯渇ということにあるようです。石油によって繁栄を築いてきた国が石油ゆえに存続の危機に、現実はそう単純じゃないでしょうが考えさせられる問題です。

わが国の競馬界でいえば、馬券売上の減少問題でしょうか。これまでの日本競馬の屋台骨を支えてきたのは、間違いなくファンによる馬券売上なのは否定できません。世界的に高水準にあるといわれる賞金も、元はといえば馬券売上から捻出されています。このオアシスのような存在を枯渇させては立ち行きません。

自然資源である石油は枯渇しますが、幸いに馬券売上は理論的には枯渇したりしません。楽しくて面白い競馬を提供している限り、それは無限に再生産されていくからです。もう一度、原点に帰って日本競馬のあり方と行く末を考えなければならない時期なのでしょう。

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