きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ようこそいらっしゃいませ。

《震撼》(しんかん)という言葉があります。震え上がらせるという意味だそうです。昨日のチューリップ賞のレーヴディソールの競馬ぶりはまさに《震撼》ものでした。滅多に見られるものじゃない。阪神競馬場に出かけた方は本当に幸せだったと思います。

レーヴドスカーというフランス生まれのマドモアゼル、この芦毛の牝馬がノーザンファームの吉田勝己さんの手で日本に来てくれたことからすべての物語は始まります。

ディソールも母譲りの芦毛に出ていますが、この毛色はドスカーの父ハイエストオナー、その父ケンマール、そのまた父のカラムーンからゼダーン、グレイソヴリンと6代にわたって受け継がれてきました。

カラムーンは祖父グレイソヴリンからナスルーラの血を受け、母系の曽祖母にナスルーラの全妹リヴァズの名が見えます。ナスルーラの全兄妹クロス3×3の強い近親交配なっています。

これだけきついと、以後はナスルーラの血を避けそうなものですが、ドスカーの祖父ケンマールはニアルーラを通じて、父ハイエストオナーはネヴァーベンド系の血を、ドスカー自身、母の父バイアモンからブラッシンググルーム、レッドゴッド、ナスルーラへとさかのぼることができます。ドスカーはナスルーラ6×6×6×5×5×5ということになります。ナスルーラの血を薄めることなく増強してきています。

ディソールは父アグネスタキオンの母の父ロイヤルスキーにナスルーラ3×4のクロスがあり、この一族伝統のナスルーラ増強策を守った配合になっています。《震撼》の爆発力はここらに源があるのかもしれません。

当協会員のサンデーレーシングさんの所属で会員さんのご意向もあるでしょうが、ぜひ、ダービーで日本中を《震撼》させてくれたら嬉しいです。

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