きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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ヴィクトワールピサの歴史的なゴールを見ながら、1999年に4歳馬だった馬たちのことを思い出していました。今年の4歳馬も強いけれど、あの年も格別でした。

99年というとエルコンドルパサーが凱旋門賞で2着に奮闘、世界に日本調教馬の存在感を植え付けてくれました。ライバルのグラスワンダーも好調で3歳時の有馬記念に続き、宝塚記念、再び有馬記念とグランプリ3連覇を達成しました。

この外国産馬勢に対して内国産の総大将はスペシャルウィーク。前年のダービーに続き、春秋の天皇賞、ジャパンCと古馬主要G1を総ナメする勢いで王道を突っ走っていました。

この他にもスターホースは目白押しで、長距離で衰えないスピードを見せたセイウンスカイ、マイル路線でカミソリのような切れ味を発揮したエアジハード、最強馬タイキシャトルを引退レース・スプリンターズSで一気に差し切ってみせたマイネルラヴなど各カテゴリーで個性的な名馬が顔を揃えていました。世界的良血馬キングヘイローなんかも同期生でしたね。

なぜヴィクトワールピサと1999年の4歳馬なのか?実は引退して10年以上もたつ彼らの争いは今も続いているからです。JRAに顕彰馬という制度があります。歴史の名を残した名馬が競馬記者などの投票により推挙され、長くその貢献と栄誉を称えられるホースマンの憧れです。世にいう《競馬の殿堂》ですね。

しかし彼らは世代レベルが高すぎるがゆえに票が分散して、なかなか《殿堂》入りする馬が現れません。ヴィクトワールピサの歴史的快挙は殿堂入りに値するものですが、ローズキングダム、トゥザグローリー、ペルーサなどが今週の日経賞に姿を現しそうです。2011年の4歳馬の戦いは始まったばかりなのですね。

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