きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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海の向こうでは今日、グランドナショナルが発走します。フルゲート40頭がスタンバイして今年も盛り上がりそうです。なんでもイギリスで一番人気のあるスポーツだそうです。日本の障害レースとは比較にならない過酷さですから、何頭が完走(落馬)するかみたいな賭けも行われているのでしょうね。いろんな楽しみ方があるから幅広い人気を得ているのでしょう。

さて一方、開催中止された中山競馬、重賞レースは阪神に移設されて順調に消化されていますが、中山グランドジャンプだけが開催未定のままになっています。《あのロケーション(中山)でなければ意味がない》というのがJRAの説明です。

“あのロケーション”というのは、高さ160センチ、幅205センチの大竹柵、高さ160センチ、幅240センチの大生垣、高さ140センチ、幅220センチの赤レンガ、中山大障害と中山グランドジャンプだけに許された通称“三大障害”を指しているのでしょうか。

中山グランドジャンプは春秋に行われていた中山大障害が99年のグレード制導入に伴って分離され誕生したものです。両方で145回の歴史を刻んでいますが、88年に一度だけ東京競馬場で行われたことがあります。しかしレース名は東京大障害であり中山大障害とは別物、そんな考え方が貫かれていました。

今年のように皐月賞は東京へ移設されても皐月賞です。《あのロケーションでなければ意味がない》という説明は、この伝統のレースに対する関係者の深い思いがしのばれ、実に潔く高い見識を示したものだと思います。中山競馬場で中山グランドジャンプが行われる日を待ちましょう。

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