きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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毎週4重賞なんて豪華な番組が続いたのですが、今週のグレードレースはマイラーズC1鞍だけとなります。

このレースの特徴はいくつもの顔を持っていることでしょうか。一般的には安田記念やヴィクトリアMなどの前哨戦ということで、実際に5頭の安田記念馬、1頭のヴィクトリアM馬を出しました。ヴィクトワールピサの兄アサクサデンエンの名も見えます。牝馬のノースフライトは高い完成度を示し、安田記念、マイルチャンピオンシップと無敵でしたね。牝馬のマイラーとしては歴代有数の強さだったと思います。

天皇賞・春のステップレースとして位置づけられた時期もあります。タイテエムやカツラノハイセイコがマイルのこのレースからステイヤーの頂点に上り詰めました。

もう一つの顔は地方馬が大活躍したレースだったことです。70年代のゴールドイーグルは6馬身もちぎって驚かせられました。オールドファンには懐かしいカブトシローの仔で九州産馬、異色のプロフィールで野武士の風貌をたたえていました。

80年代はカズシゲ、ミスターボーイとゴールドイーグルと同じ東海公営出身馬が芝でもスピードを見せつけます。しかし史上最大の大波乱といっていい番狂わせが起きます。

84年のローラーキングです。大井から転入緒戦の東京新聞杯を15頭立てのブービーに敗れ、やはり芝は無理かと思われた彼は、不良馬場も味方したのか、ニホンピロウイナー以下に完勝してしまいます。重馬場は苦手としていたピロウイナーでしたが、日本競馬史上で最強の座を争う名マイラーです。翌年秋の天皇賞で帝王シンボリルドルフがギャロップダイナの強襲に屈して日本中を驚かせますが、そのビックリにも遜色ない番狂わせだったと思います。

さて今年のマイラーズC、どんな顔を見せてくれるのでしょうか。

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