きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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明日、大井競馬場で交流重賞・東京スプリントが行われます。JRA同様に開催中止など大変な苦労の末にようやくたどり着いた今年度初のビッグレースになります。

東京スプリントは今年で3回目と歴史の浅い重賞ですが、前身の東京シティ盃を含めると20年以上続いているダートスプリンターにとっては希少な韋駄天レースです。

毎年、このレースを待ち兼ねている馬がいます。今年で9歳になるフジノウェーブです。彼はカネヒキリ、ヴァーミリアンなど強豪世代の同期生で強い相手ばかりと戦ってきました。それでも07年のJBCスプリントを中央勢をものともせずダート1200mでの一級の能力を証明しています。

大井で行なわれる東京シティ盃、東京スプリントは大好きで、これまで1着、1着、3着、2着と素晴らしい成績です。9歳になった今季も元気いっぱいで前走の東京スプリングCでは1ハロン長いと思われた1400mを好位から抜け出しました。得意の1200mのここは頑張ってくれるでしょう。

でもこうした老雄が頑張っていられるのも交流競走を中心としたスプリント路線の充実にあります。JRAは1月の根岸S1400m、7月のプロキオンS1400m、暮れの中山のカペラS1200mと重賞は3つだけです。これに対して地方は11月のJBCスプリントを頂点に全国各地を転戦しながら10のグレードレースが組まれています。

当然、中央のダートスプリンターも交流をめざすわけですが、出走枠の関係もあり思うようにいかないのが現実です。フジノウェーブのような存在も大事なサラブレッド資源です。大切にする仕組みをつくり上げる努力が必要なのでしょうね。

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