きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ようこそいらっしゃいませ。

震災後2カ月がたちました。被災された方々はまだまだ大変な日々をお過ごしと思います。改めて心よりお見舞い申し上げます。

さて、天皇賞に始まりNHKマイルCに終わったゴールデンウイーク、間には交流競走が盛りだくさんでした。そんな中でもっとも印象に残った言葉があります。

《わざわざ岩手から来てくれたんだ。今度はこっちが行かないとな》

5月5日に門別競馬場で行われたコスモバルク記念の勝者クラキンコの堂山芳則調教師のコメントです。レースには岩手の三冠馬ロックハンドスターが参加していました。迎えるクラキンコも北海道三冠の女傑、加えて遠征した南関東でロジータ記念などを勝っているショウリダバンザイまで里帰りして大いに盛り上がりました。

父も母も自身も三冠馬という世界的にも稀有な存在のクラキンコが追撃をしのいで勝ち、そして冒頭の言葉です。被災地岩手も今週土曜から競馬再開にこぎつけました。水沢競馬場は復旧せず盛岡だけでの単独開催ですが、この2ヶ月間というもの本当に大変だったと思います。ひとまずの再開に心からの敬意をこめてお祝いを申し述べます。

岩手では今シーズン3鞍の交流重賞が予定されています。7月18日のマーキュリーC2000m(G3)、8月15日のクラスターC1200m(G3)、10月10日のマイルチャンピオンシップ南部杯1600m(G1)、スプリント、マイル、中長距離とバランスのいい編成です。

モノやカネの被災地支援も大切なのですが、それぞれのカテゴリーで一級の馬たちが参戦することがホースマンとしてできる最高の支援なのではないでしょうか。堂山調教師の言葉はそのことを改めて教えてくれました。

直近のマーキュリーCは帝王賞と日程が間近なのでスマートファルコン、フリオーソ、エスポワールシチーなど超一線級の参戦は簡単ではないでしょうが、馬主さん、調教師さん、スタッフの皆さん、ぜひ岩手へお出かけになることを考えていただけませんか。

×