きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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本当に行くんですね。グランプリボスが検疫厩舎に入っています。ロイヤルアスコットのセントジュームズパレスS遠征のためです。敵地には怪物フランケルが待ち構えています。ヨーロッパの怪物がどれほどのものかボスが測ってくれます。それだけでも意義がある勇気ある挑戦に拍手を贈りたいですね。

さて、同じロイヤルアスコットのコロネーションSには、オークス1番人気のマルセリーナが登録しています。レースは3週間後ですから参戦は無理っぽいのですが、無責任なファンとしては行ってもらいたい気持ちでいっぱいです。

というのも、マイラーとしての高い可能性を感じているからです。母マルバイユはイタリアを主戦場にマイル路線を走り、仏ドーヴィルへ遠征したG1アスタルテ賞など11勝を挙げています。その父マルジュもセントジュームズパレスSを勝っており、母の父として英G1を4連勝中のカンフォードクリフスを出すなどヨーロッパを中心に注目の高い旬のマイラー血統です。

父ディープインパクトは最短で2000mとチャンピオンシップ路線をひた走ってきたのでマイラーとしての能力はヴェールに包まれたままですが、主戦の武豊騎手が《飛んだ》と表現したようにその瞬発力は群を抜いていました。出ていれば苦もなくこなしていたと思えます。

その母系は曽祖母ハイクレアが英1000ギニー馬であり、母ウインドインハーヘアを通じて、名マイラーだったリファールの血も享けています。今のところマイラー色の強い産駒が多いのもそのためでしょう。その中でもマルセリーナは出色の存在ではないでしょうか。ぜひロイヤルアスコットを走らせてみたい馬です。

オークスがそっちのけになってしまいました。当コラムでご紹介した馬のほとんどが外枠を引いてしまいました。ちょっとガッカリしています。こうなるとマルセリーナやホエールキャプチャの能力の高さが距離やコースの適性といった付加価値を上回るのでしょうか。

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