きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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向こうの馬は強いですねぇ。舌を巻きました。昨夜のセントジュエームズパレスS、フランケルがまた勝ちました。グランプリボスは残念でしたがゲートインしなければ始まりません。この遠征が無駄だったとは少しも考えません。勇気ある挑戦に拍手と感謝を贈りたいと思います。

さて、福島競馬の代替となった今開催の楽しみの一つは、この時期の中山で新馬戦が楽しめることです。なんでも初めての試みだとか。来年のダービー馬になるかもしれないサラブレッドのデビュー姿を見届けられるのは、とても贅沢なことです。

これまで78頭いるダービー馬でいちばん早くデビューしたのは1977年のサクラショウリの6月25日の札幌デビューでしょうか。この系統からは同じパーソロン産駒のシンボリルドルフも7月23日の新潟デビューと早い仕上がりを見せていました。気性の勝った血統ゆえのアドバンテージなのでしょうが、エリート馬を1戦1戦ガス抜きさせながら成長させていったサクラショウリの故・境勝太郎調教師、シンボリルドルフの故・野平祐二調教師の勇気に頭が下がります。

もう1頭の6月デビューでダービーの頂点に上り詰めたのは、75年の6月28日に札幌で走り始めたクライムカイザーです。ダービーでは天馬トウショウボーイを闇討ち(?)するように一瞬の切れ味で打ち倒し希代のヒールとして名を売りました。

今開催は7月にまたがりますが、ここまで網を広げると、14頭のダービー馬が誕生しています。全体の約2割になります。昔話ではありません。一昨年のロジユニヴァースは7月6日、昨年のエイシンフラッシュは1週遅れの12日、ともに阪神の新馬戦から競走生活をスタートさせています。クラシック候補は秋の東京・京都デビューが王道と言われますが、どうやら一般的な目安ではあっても、黄金律ではないようです。夏の中山からダービー馬が現れないものでしょうか。

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