きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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ご承知のように交流G1マイルチャンピオンシップ南部杯が10月10日の東京競馬場で開催される方向で調整されています。大義名分は復興支援のための売上増大ということでしょう。集客力があり購買力にも秀でた東京開催ならそれが期待できます。歴史、伝統とか、地方競馬の存続意義とか論点は多々ありますが、《背に腹はかえられない》というのが本音でしょうか。

それは理解できるのですが論点を整理しておくのも必要でしょう。盛岡競馬場は杜の都につくられた瀟洒な美しい競馬場です。コースレイアウトも南部杯のために施されたと言われるほどマイラーがマイラーとしての能力を全開できる仕様になっています。レース名は代々盛岡藩を統治してきた南部家に由来するもので、表彰式には南部家当主から南部杯が授与されます。ロイヤルアスコットのミニミニ版くらいの格式があります。首都圏の人にお殿様公認のレースと言ってもピンとこないのですが、そもそも盛岡以外でやる意味があるのかというのが第1の論点です。

左回りの1600mという条件的な合致も移設理由のひとつです。とは言え、スタート地点から芝コースを横切るレイアウトは、前々から議論の種になってきました。G1レースとしてフェアじゃないと考える人も多いようです。さらにフェブラリーSとの相似性も検討の余地ありでしょう。まったく同条件のG1が年に2回というのはどうなんでしょう。お互いにステイタスを下げてしまいそうです。

《非常時》のことですから、あれこれ異を唱えるのもどうかと思うのですが、今回の《非常時》はこの先もまだ続きます。来年はどうするのでしょうか、再来年、その先は?地方競馬のあり方というのか、競馬と地域のかかわり方が問われてくるようにも思います。

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