きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2011.8.3

ようこそいらっしゃいませ。

函館2歳Sが約2ヶ月前倒しされて現在の時期に移行されたのが97年、それ以降はレースの趣きがかなり変わったとお話しました。ときにはクラシックホースを輩出していたレースなのですが、ただ1頭だけを例外として仕上がりの早い馬の独壇場になりました。

97年以降、14頭の勝ち馬が出ていますが、半分の7頭はその後1勝もできないで競走馬生活を終えています。残る6頭も勝つには勝ったものの苦労を重ねた馬も多く、サダムブルースカイは01年函館2歳S後は勝利から見放され20連敗、やっと1600万特別を勝ったと思ったらまたまた8連敗、でもこの間、2着が4回あり、けっこう掲示板に乗っていますから、これだけ無事に丈夫に走れるのも才能のうちでしょうね。

オーナーの大西定さんから大きな愛を注がれた馬でした。競走馬生活を続けるために障害に活路を求め、大井、園田に転厩するなど懸命に可能性を探られましたが、痛めた脚は回復せず結局、出番がないまま引退しています。

重賞を勝ってしまうと重賞やオープンを走り続けることになります。相手もドンドン強くなる一方です。レースのたびに一段また一段とギアを上げていかないと、勝ち負けどころか着を拾うのも難しくなってきます。勝負の世界というのは非情なものですね。

もともとギアが少なかった馬もいるにはいるのでしょうが、多くの馬は何かの事情で置き忘れてきてしまったり、血の奥深くに潜めたまま一度も陽の目を見ることなく終わる、それにしても、サラブレッドは本当に複雑な生きものです。

さて明日は、冒頭で“ただ1頭だけの例外”とご紹介した函館2歳S馬にしてG1馬に成長したアグネスワールド、彼の蹄蹟をたどってみたいと思います。