きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  チャンピオンズカップ

暦は師走に入り、年末ムードが漂ってまいりましたが、競馬サークルも同様に今年あとひと月という状況で、GI戦線も追い込みを見せています。先週は砂のチャンピオン決定戦・チャンピオンズカップが行われ、当協会会員の河合純二オーナー、裕明オーナーのジュンライトボルトが豪快な差し脚で優勝しました。覆面歌人の京雅さんからは、このチャンピオンズカップの和歌が届きました。和歌(沓冠)に隠れたメッセージを読み解き、お楽しみください。

チャンピオンズカップ 京雅

いざハナは
なんと敵なし
図抜けたり
前を捉えぬ
ガッツ駆け抜く

隠れたメッセージは「いなずまが はしりぬく → 稲妻が 走り抜く」です。
い()ざハナは(
な()んと敵なし(
図()抜けたり(
前()を捉えぬ(
ガ()ッツ駆け抜く(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
圧巻の追い込みで、見事、シリウスステークス(GIII)からの重賞連勝で初のGI勝利をもぎ取ったジュンライトボルト。
鼻出血の影響もあり、ダートに挑戦したジュンライトボルト。その勇気(ガッツ)は成績にも表れました。ダート転向後は底を見せず、敵なしで一気に頂点に上り詰めました。
レースでは、中団でじっくりと脚を溜めて直線勝負。管理する友道調教師は「直線でどこを割ってくるのか心配してましたが、うまく乗ってくれた」とコメント。鞍上の石川裕紀人騎手は「何とか進路が見つかれば弾けてくれると信じていました。馬の反応が、勝てる、という反応だったので、何とか前を捉えてくれ、という気持ちでした」と愛馬を信用しての騎乗が伺えるコメントでした。
チャンピオンズカップで日本馬のダート王に輝いたジュンライトボルトのハナ先は既に海外へ向いており、河合純二オーナーは「今後は海外に行きたい」と、見据える先は世界のダート王といったところでしょう。
「稲妻が 走り抜く」次は世界の舞台で雷鳴が轟くことを期待しましょう。

河合純二オーナーはレース当日が嬉しい74歳の誕生日。愛馬から最高の誕生日プレゼントを貰った、そんな一日となったのではないでしょうか。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

×