きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  ジャパンカップ

12月1日は、森田 直行 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
今年の東京開催の締めくくりとなるジャパンカップが先週の日曜日、27日に行われました。3歳、古馬に加えて、海外の強豪馬の参戦。豪華な一戦となりました。覆面歌人の京雅さんからは、このジャパンカップの和歌が届きました。和歌(沓冠)に隠れたメッセージを読み解き、お楽しみください。

ジャパンカップ 京雅

あえて下ぐ
追って万全
行く群馬
ほんとに偉いさ
ガッツ切り裂く

隠れたメッセージは「あおいほが ぐんばさく → 青い帆が 群馬裂く」です。
あ()えて下ぐ(
追()って万全(
行()く群馬(
ほ()んとに偉いさ(
ガ()ッツ切り裂く(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
牝馬三冠馬、日本ダービー馬、海外GI勝ちのある外国馬など、多様なメンバー構成となったジャパンカップを見事に制したのは、今年の3月に初めて芝のレースに出走してから一気にスターダムへの駆け上がった5歳のヴェラアズールでした。
スタートを決めたヴェラアズールはあえて下げて中団待機。末脚を存分に溜めて直線へ。
先団から後方まで群馬ひしめきあう中で、なかなか前が開かきませんが、世界の名手ムーア騎手は慌てず、僅かな隙間を見つけて追って万全。
馬のガッツも手伝って、間隙を縫うように切り裂くと先に抜け出したヴェルトライゼンデ、シャフリヤールをゴール前で捉え切りました。まさに隠れたメッセージ「青い帆(=ヴェラアズールの名前の由来)が 群馬裂く」鋭い切れ味で初のGI勝利をもぎ取りました。

管理する渡辺調教師は「京都大賞典よりさらに体調は上向いていました。想像を超える脚を使ってくれて本当に偉い馬だと思います」とコメント。既に栗東に帰厩しており、脚元も大丈夫な様子。更なる高みを目指す今後のヴェラアズールにも期待大です。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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