きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  マイルチャンピオンシップ

11月24日は、川島 信二 騎手、佐々木 大輔 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週の秋のマイル王決定戦のマイルチャンピオンシップが行われました。3歳勢と古馬が激突したこのレースを制したのはGIであと一歩届かず涙を飲んできた3歳馬セリフォスでした。覆面歌人の京雅さんからは、このマイルチャンピオンシップの和歌が届きました。和歌(沓冠)に隠れたメッセージを読み解き、お楽しみください。

マイルチャンピオンシップ 京雅

攻めて無比
理想の走りが
父子相伝
追い豪快な
全て抜き去る

隠れたメッセージは「せりふぉす ひがんなる → セリフォス 悲願なる」です。
攻()めて無比(
理()想の走りが(
父()子相伝(
追()い豪快な(
全()て抜き去る(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
スタートを決めたセリフォスは他馬の状況がじっくりと確認できる中団後方で折り合うと、末脚を温存し、最後の直線に賭けます。
スタート〜200mまでを除くと全て1ハロン毎のラップが11秒台以下という淀みない流れの道中でD.レーン騎手が上手く外に出し、進路を確保すると直線は大外に。
ここから必死の追い込みで、ごちゃつく先行勢を横目に豪快な末脚を披露すると、坂上ラスト50mで先頭に躍り出て全馬抜き去りました。

セリフォスの父ダイワメジャーは2007年にマイルチャンピオンシップを制しており、セリフォスと父子制覇。ダイワメジャーは先行馬、セリフォスは差し・追い込みと、戦法は違えどトップスピードに乗った時のパワフルな走りは父譲りなところがあるのかもしれません。
父子相伝、父の良き部分を受け継いだセリフォスが春に成し得なかったGI制覇を古馬との混合戦の中、達成しました。「セリフォス 悲願なる」、今後は王者として他馬の挑戦を待ち受けることとなるセリフォスに注目です。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

×