きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  アルゼンチン共和国杯

先週は4つの重賞が行われ、各レースでGIへの挑戦権を得るための激しい戦いが行われました。日曜日に東京競馬場で行われたアルゼンチン共和国杯(GII)では、当協会会員、阿部東亜子オーナーのブレークアップが優勝しました。覆面歌人の京雅さんからは、このアルゼンチン共和国杯の和歌が届きました。和歌(沓冠)に隠れたメッセージを読み解き、お楽しみください。

アルゼンチン共和国杯 京雅

追って伸ぶ
しかと頑張れ
来たスター
ついにハナ咲く
耐えた大器よ

隠れたメッセージは「おしきつた ぶれーくよ → 押し切った ブレークよ」です。
追()って伸ぶ(
し()かと頑張れ(
来()たスター(
つ()いにハナ咲く(
耐()えた大器よ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
前走、3勝クラスを勝ち上がったブレークアップ。戦前、オーナーは「メンバーも一気に強くなります。胸を借りるつもりで頑張って欲しい。」と語っておりましたが、そんな強いメンバーを相手に好位の3番手を追走すると、直線では田辺騎手の檄に応えてしっかり脚を伸ばします。8枠の2頭が迫りますが、自身とオーナーの重賞初制覇がかかったブレークアップはもうひと頑張り。隠れたメッセージの通り「押し切った ブレークアップ」。田辺騎手がレース後に「遅咲きですが、力をつけて重賞を勝ちました。」と話していた通り、遅れてきた大器ブレークアップが4歳の秋にして、嬉しい重賞初優勝を成し遂げました。

管理する黒岩調教師はレース後の談話で、年内の目標はジャパンカップか有馬記念を考えているとコメント。2連勝した相性の良い東京競馬場、オーナーが所属する中山馬主協会のホームグラウンドで開催される有馬記念。いずれも楽しみが広がる勝利となりました。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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