きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  天皇賞・秋

11月3日は、高田 潤 騎手、岡田 稲男 調教師、武 幸四郎 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は秋の中距離GI、伝統と格式高き天皇賞・秋が行われました。3歳、古馬それぞれのGI馬や重賞実績馬が集結したこのレースを制したのは今年の春、皐月賞とダービーで2着と悔しい思いをしたイクイノックスでした。覆面歌人の京雅さんからは、この天皇賞・秋の和歌が届きました。和歌(沓冠)に隠れたメッセージを読み解き、お楽しみください。

天皇賞・秋 京雅

敵はなお
逃げ馬速い矢
今だ行こ
レース沸かせた
ターボ捉えて

隠れたメッセージは「てにいれた おやこたて → 手に入れた 親子楯」です。
敵()はなお(
逃()げ馬速い矢(
今()だ行こ(
レ()ース沸かせた(
タ()ーボ捉えて(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
スタート後、ノースブリッジとパンサラッサが先手を主張し、その後ろにも逃げを得意とするバビットがすぐに追随する展開に。結局は、早いラップを刻むことを得意とするパンサラッサが後続を大きく引き離し、矢のように逃げます。
一方のイクイノックスの中段から後方よりの10番手で折り合います。
4コーナーに入ってもパンサラッサと馬群の差は詰まらず、もしやこのまま逃げ切るか、と東京競馬場のスタンドが沸き上がる中、直線へ。
パンサラッサが海外GI制覇時にも見せた粘り脚を見せるところ、大外からターボを効かせて一気に加速したのがイクイノックスでした。
パンサラッサとの差はみるみる縮まり、ゴール2、30m手前できっちりと差し切り優勝馬に与えられる天皇楯の手にしました。

イクイノックスの父はキタサンブラック。父のキタサンブラックは2017年にこの天皇賞・秋を制覇。天皇賞秋の親子制覇は史上4組目。隠れたメッセージは「手に入れた 親子楯」、偶然にも親子ともに楯を手にしたときの馬番は4枠7番というドラマ付きでした。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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