きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 新潟2歳ステークス

季節は徐々に移ろい、茹だるような暑い日も少なくなってきました。秋競馬の背中も見え始め、夏競馬もラストスパートです。先週は新潟で新潟2歳ステークスが、小倉では小倉サマージャンプ、札幌ではキーンランドカップが行われました。覆面歌人の京雅さんからは、新潟2歳ステークスの戦いを詠った和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

新潟2歳ステークス 京雅


君余裕
溜め力満ち
疲れせぬ
馬場内を駆け
最後に伸びた

隠れたメッセージは「きたつばさ うちぬけた → 北翼 内抜けた」です。
君()余裕(
溜()め力満ち(
疲()れせぬ(
馬()場内を駆け(
最()後に伸びた(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
勝ち上がったばかりの伸び代たっぷりな馬たちの戦いとなった新潟2歳ステークス。新潟の広いコースに、各馬横に広がる隊列で直線の攻防が行われました。
開催が進むにつれて、馬場の外側の馬が伸びてくるのが競馬のセオリーですが、勝ったキタウイングは馬群の最内を最後に強襲。道中、後方で溜めた力を一気に解き放ち、見事な重賞制覇となりました。
キタウイングは連闘でこのレースに参戦。その疲れを感じさせない走りで快勝。連闘での重賞制覇は2004年のコスモヴァレンチ以来とのこと。今後は暮れの牝馬2歳GI・阪神ジュベナイルフィリーズを目指すことになりそうです。
内を抜けて勝利を手にしたキタウイング(馬名の直訳は’北翼’)が、次なる大舞台に向けて羽ばたきます。


今週は夏競馬の締めくくりとなる1週間。札幌、新潟、小倉それぞれで重賞が行われます。夏競馬を最後までお楽しみください!!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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