きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  朝日杯セントライト記念

9月22日は、石川 裕紀人 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
3冠最終戦に向けたトライアルレースが先週よりスタートしました。中京では秋華賞トライアル・ローズステークス(GII)をアートハウスが、中山では菊花賞トライアル・朝日杯セントライト記念(GII)をガイアフォースが優勝し、最終戦への切符を手にしました。覆面歌人の京雅さんからは、朝日杯セントライト記念の開幕の和歌が届きました。和歌(沓冠)に隠れたメッセージを読み解き、お楽しみください。

朝日杯セントライト記念 京雅

あの元気
さあ好位行く
悲願秘め
ハナ競いいざ
いま馬強し

隠れたメッセージは「あさひはい きくめざし → 朝日杯 菊目指し」です。
あ()の元気(
さ()あ好位行く(
悲()願秘め(
ハ()ナ競いいざ(
い()ま馬強し(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
東の菊花賞登竜門、朝日杯セントライト記念。クラシック最終戦を目指して13頭が集結しました。優勝したガイアフォースは初重賞挑戦での優勝。デビューは後のダービー馬ドウデュースの2着。すぐに勝ち上がるかと思われた中、骨折が判明し長期休養を余儀なくされました。静養後は元気溌剌。3歳春の復帰初戦で勝ち上がると1勝クラスを2戦目に優勝。4戦4連対でこの朝日杯セントライト記念を迎えました。
レースでは5,6番手の好位に控え、直線ではダービー3着の実力馬アスクビクターモアとの一騎打ちに。春を骨折で棒に振ったため、菊花賞は悲願のクラシック。休養経て夏に実力をつけたガイアフォースは名前(馬名の由来はギリシャ神話の地母神+力)の如く、速く力強い神の脚技を披露し、中山の急坂でアスクビクターモアに競り勝ちました。
5戦5連対、重賞制覇と、馬が強くなったガイアフォースが菊花賞を目指し、躍動した朝日杯セントライト記念でした。

ガイアフォースは名馬キタサンブラック。通算で7勝のGI勝利を挙げた父は、この朝日杯セントライト記念を制して、続く菊花賞でGI初勝利を手にしました。偉大な父に続き、菊花賞での快走も期待したいところです。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

×