きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

日の丸サラブレッド

8月26日は、奥村豊 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

近年、日本生産馬・日本調教馬など“日の丸サラブレッド”の活躍が際立っています。昨年は日本ホースマン悲願の“芝の最高峰レース”凱旋門賞制覇が実現されるより、さらに時間がかかるだろうと言われてきた“ダート頂上決戦”ブリーダーズカップ(BC)シリーズの一角崩しですが、これがアッサリ現実のものとなったのは驚きでした。昨年、ダート牝馬頂上戦のG1BCディスタフのマルシェロレーヌの怒涛の追い込みもそうですが、芝のG1BCフィリー&メアターフのラヴズオンリーユーも立派でした。欧米では歴史的に牝馬限定レース体系が確立されて来ました。日本も改良が重ねられいますが、量的にも質的にもまだ見劣りがします。しかし牝馬が強くなれななるほど、牡馬相手に戦わざるを得ない日本の牝馬は、そうした劣勢の中で力をつけてきたということなのでしょうか?そう言えばコロナ禍前に、オーストラリアの中距離最高峰G1コックスプレートを挟んで、宝塚記念と有馬記念を3連勝したのも“男勝り”リスグラシューでしたね。

凱旋門賞に話題を戻すと、現時点のブックメーカー(ウィリアムヒル社)オッズで1番人気に抜擢されているのは日本馬タイトルホルダーの6倍で、以下G1を破竹の5連中のアルピニスタが7倍、昨年の覇者トルカータータッソの8倍と続き、4番人気の11倍で日本馬ドゥユースが顔を出します。そのドウデュースが出走するニエル賞はじめフォア賞、ヴェルメイユ賞の同コース同距離のトライアルデー、その結果次第では怪物バーイードの凱旋門賞出陣の可能性を孕む愛チャンピオンSなどターニングポイントとなる重要前哨戦はこれからですが、いずれにしろ日の丸サラブレッドが有力勢の一角を占めるのは確かなようです。

さらに日本産ながら異なる国旗を背負ってレースに臨む海外調教馬のレベルアップにも驚かされます。ディープインパクトの血を受け継ぐサクソンウォリアーで英2000ギニー、同じくスノーフォールで英オークスとクラシックを勝利した名門エイダン・オブライエン厩舎は、今年も日の丸ラインナップを充実させています。世界中で12頭しかいないディープのラストクロップも早々と始動させて、オーギュストロダンが来年のダービー1番人気に大抜擢されました。年度代表馬に輝いたマインディングの牝馬もスタンバイしており、希少な頭数であり得ない結果を出すかもしれません。ロードカナロア牝馬、ハーツクライ牡馬も既に勝ち上がり、オブライエン厩舎の日の丸ブランドには目が離せませんね。そもそも日の丸サラブレッドの血統が時流にフィットし、かつ生産技術が優秀なのか?それともバトンを受け取る海外の育成や調教技術が非凡なのか?あるいはその両方の相乗作用なのか?解き明かされていない謎は多いのですが、日本に関わるサラブレッドの動向が、世界の舞台を動かす時代なのでしょうか?

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