きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

“決戦の秋”へ秒読み開始!

8月19日は、藤沢則雄 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

今年は例年にも増して猛暑の夏が続きます。しかし秋に待望を抱くサラブレッドたちが、測ったように調子を上げてくるのもこの時期の風物詩です。イギリスではヨーク競馬場を舞台に伝統のイボア開催が真っ盛りですが、秋の主役候補に名を連ねている注目馬たちが、次々と順調に勝ち上がっています。開催初日のG1インターナショナルSは、レーティング世界一のスーパーホース・バーイードが初距離にもかかわらず直線半ばまで馬なりで楽々と追走し、先に抜け出して懸命に逃げ込みを図る昨年の覇者ミシュリフを一気合で交わし去り、悠々6馬身半差でゴールしています。これで10戦10勝、怪物フランケルの背中が見えて来ました。同じようにマイル路線を不敗で歩み、2000m級に距離を延ばしたインターナショナルSは7馬身差、続く英チャンピオンSも楽勝で14戦14勝の金字塔を打ち立てた超名馬です。ミシュリフのジョン・ゴスデン調教師は「バーイードの前には大敗も仕方なく思えるほど素晴らしい成長を遂げているが、フランケルはもっと派手な馬で、その分だけ刺激的だった」と2頭の歴史的名馬を語っています。この後は凱旋門賞には見向きもしないで、フランケルの引退レースと同じチャンピオンS一本に目標を絞っているようです。どこまでフランケルに迫れるか、この秋競馬一番の見どころです。

凱旋門賞路線も賑わいを増してきました。昨夜のG1ヨークシャーオークスでは、そのフランケルの娘アルピニスタが直線1000mの叩き合いで1頭また1頭と脱落していく過酷なサバイバルレースを戦い抜き、最後は今年の英オークス馬の若きチューズデーを競り落としました。これで7連勝、内G1は2400mのレースばかりを選んで5連勝と昇竜の勢いです。凱旋門賞オッズの大方は日本馬タイトルホルダーに続く2番手の評価ですが、今季はまだ2走だけで余力は十分、上がり目が見込めそうで不気味な存在です。

負傷でダービーを休んで復帰目指して調整に励んできた若武者ルクセンブルクが、先日のカラ競馬場のG3ロイヤルウィップSでカムバックを果たしました。着差はクビとわずかですが、並ばれてから良い脚を長く使って抜かせないポテンシャルの高さと勝負根性はさすがです。斤量的にもアドバンテージが貰える3歳馬ですから、大きな前進があって驚けません。日本からの遠征馬は、既にフランスに到着して今月末のドーヴィルで行われるG2ドーヴィル大賞2500mにベテランのステイフーリッシュが腕試しに挑戦します。海外には滅法強い馬です。父ステイゴールドのフランス適性も二重丸。楽しみですね。

×