きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

真夏の夜の夢

7月29日は、羽月 友彦 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

ヨーロッパの初夏から真夏は、競馬がもっとも華やか興奮と感動に包まれるシーズンです。イギリスはダービーウィークからロイヤルアスコット、ニューマーケットのジュライ開催、そして目下盛り上がり真っ最中のグロリアス・グッドウッドと、ワクワクドキドキのカーニバルが続きます。この“競馬の旬”には、お隣のアイルランドからも有力馬がこぞって参戦し、競馬場を賑わせます。月が替われば、フランス最大の馬産地であり最上のリゾート地であるドーヴィルのロングラン開催が幕を開けます。今年は世界クラスの強豪が集うグッドウッドのG1サセックスSで大健闘したバスラットレオンが出走するG1ジャックルマロワ賞など、複数の日本調教馬も馳せ参じるようで、大いに真夏の醍醐味を味わえそうです。

「これしかない!」
ファンみんなの想いや願いを絵に描いたようなバスラットレオンの潔い逃げでした。一昨夜のグッドウッド競馬場で行われた競馬発祥の地イギリスにおけるマイル最高峰レース・G1サセックスSは、ここまで7戦7勝と無敵のバーイードの登場で盛り上がりました。目下G1を4連勝中で、前走ロイヤルアスコットのG1クイーンアンSは、ほとんど馬なりのままノーステッキとエゲツない勝ち方をして、世界一となるレーティング128ポンドを贈られています。この新怪物を筆頭に出走7頭中G1馬が5頭という豪華版で、何ごとにも懐深く寛容なJRAも日本での馬券発売を見送ったほどです。さすがに勝負にならないと考えたのでしょうか?現地の人気も最低でしたが、仕方がありません。それでもバスラットと坂井瑠星騎手は自分たちのレースを勇敢にやり切りました。

逃げて逃げまくって、勝負どころでは後続を突き放すシーンも見せてくれました。逃げ切るかも、と思わせてくれた瞬間でした。さすがにヨーロッパのトップホースの実力は半端なく、ラスト1ハロンでゴドルフィンのクラシック馬モダンゲームズに交わされ、バーイードに一瞬で抜き去られましたが、それでも諦めず追い込んだアルコールフリーとは短アタマの僅差4着に粘っています。いくら褒めても褒めたりないほどです。アルコールフリーはマイルとスプリントのG1をそれぞれ2勝ずつしている実力馬です。この二階級女王とハナずらを接しての好勝負は威張って良いでしょう。次走は8月中旬のドーヴィル決戦、タイキシャトルが世界に名を轟かせたG1ジャックルマロワ賞が舞台となります。今度は日本で馬券発売されます。真夏の夜の夢が実現しないでしょうか?

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