きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  中京記念

7月28日は、荻野 琢真 騎手、本間 忍 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週はサマーマイルシリーズ第2戦、中京記念(GIII)が小倉競馬場で行われました。京都競馬場の改修工事の関係で昨年、今年と小倉競馬場での実施。サマーマイルシリーズではあるものの、小倉競馬場のコース形態から芝1800mで施行される点がポイント。マイルシリーズチャンピオンを狙いつつも、中距離適性も有する出走馬の中から、見事、先頭でゴール板を駆け抜けたのはベレヌスでした。覆面歌人の京雅さんからは、この中京記念の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

中京記念 京雅

トップ跳べ
馬よ頑張れ
そこ負けぬ
馬粘ります
すべて凌いだ

隠れたメッセージは「とうそうす べれぬすだ → 逃走す ベレヌスだ」です。
ト()ップ跳べ(
馬()よ頑張れ(
そ()こ負けぬ(
馬()粘ります(
す()べて凌いだ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
スタートから得意の形に持ち込むべく先頭(トップ)で1コーナーへ飛び込んだベレヌス。後続を引きつけ、自身も上手く息を入れながら逃走するベレヌス。勝負どころの4コーナーから他馬が並びかけてきますが、ここが頑張りどころ。「絶対に負けない」という馬の勝負根性と、何度もコンビを組んできた西村淳也騎手の気迫の追いで粘り、迫り来る後続を全て凌ぎ切って、ベレヌスが21戦目で嬉しい重賞初制覇を飾りました。

レース後、西村淳也騎手は「この馬とずっとコンビを組ませていただいて、良い時も悪い時もありましたが、乗せてくださった関係者の皆様に感謝しています。もっともっと勝ちたいと思います。」とコメント。サマーマイルシリーズを制するためには少なくとも、あと一走は対象レースへの参加が必須。ベレヌスと西村淳也騎手のコンビから目が離せません。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

×