きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

エリザベス女王“愛”

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イギリス国民のエリザベス女王への敬愛の想いの特別さ、その深さには驚かされるというより、心和む微笑ましさをさえ感じさせます。今年は女王即位70周年のアニバーサリーイヤーとあって、その盛り上がりもクライマックス状態です。6月第1週はエプソム競馬場でダービーが開催される1年のうちでも際立って特別な週末ですが、今年はコロナ禍以降ひさしぶりに女王が来臨され、「プラチナジュビリーウィークエンド」と銘打った即位70周年を祝賀するイベントが盛大に催されます。女王が所有されている愛馬たちや、その背で女王に勝利の喜びを捧げたジョッキー40人が勢揃いでお出迎えするそうです。ライアン・ムーアなど現役騎手はもちろん、懐かしい引退騎手の顔も見られるようですから、女王はさぞお喜びでしょうね。

女王に対する国民からの70年のご苦労への感謝と祝賀の気持ちは、これだけでまだ終わりません。6月中旬に華々しく開幕する女王主催の王立競馬「ロイヤルアスコット」は、さらに盛り上がり、史上最大の競馬カーニバルが実現しそうです。ダービーで有力馬の一角に挙げられていた女王陛下のリーチフォーザムーンは、残念にも体調が整わず無念のリタイアとなりましたが、ロイヤルアスコットに間に合うかもしれません。“アスコットダービー”の別名で親しまれている開催4日目のG2キングエドワード7世Sあたりが出番でしょうか?出世レースとしても有名ですから、秋の飛躍が楽しみです。

さらに嬉しいことには、先日のヘイドック競馬場で国民大興奮!の“事件”が勃発しました。女王陛下所有、その名も「クイーンズリン」という馬がG2テンプルSを力強く差し切ると、後続の追撃を抑え込んで先頭でゴールしたのです。彼はロイやアスコット初日を飾る直線1000mのスプリント戦G1キングズスタンドSに登録済みで、その中3日後のメインイベント中のメインに聳え立つG1プラチナジュビリーSにも出走の意欲を示しています。女王の即位70周年を記念する祝賀レースを女王の愛馬が勝利するなんて奇跡のドラマがあるものでしょうか!その瞬間を、ぜひ目撃したいものです。

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