きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) ユニコーンステークス

6月23日は、和田竜二 騎手、土田稔 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は3歳ダート重賞のユニコーンステークス(GIII)、乙女の戦いマーメイドステークス(GIII)が行われました。ユニコーンステークスは7番人気のペイシャエス、マーメイドステークスは10番人気のウインマイティーが勝利と一波乱あった週末。覆面歌人の京雅さんからは、このエプソムカップの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

エプソムカップ 京雅

馬行くさ
力よく維持
抜く自信
軽快ハナいま
敵を圧倒

隠れたメッセージは「うちぬけて さじんまう → 内抜けて 砂塵舞う」です。
馬()行くさ(
力()よく維持(
抜()く自信(
軽()快ハナいま(
敵()を圧倒(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
実力伯仲の馬同士の戦いとあって、勝ち馬から7着までがタイム差0.2秒という大接戦。一つの選択が勝者と敗者を分けたといえる展開を制したのは直線で内を抜けたペイシャエスでした。
先行4番手から「溜まる競馬で手応えも良かった」と鞍上の菅原明良騎手も自信を持って追い出すと、馬もそれに応えるようにインコースの他馬と他馬の間を力強く進出。ラスト100mで先頭(ハナ)に立つと、外から末脚を伸ばす馬たちに負けない抜群の勝負根性で敵を圧倒して見事、初重賞制覇を収めました。
晴れて良馬場で行われたユニコーンステークス。隠れたメッセージの通り、砂塵を巻き上げ、インコースから力強く抜けたペイシャエスでした。

この日は父の日。ペイシャエスの父エスポワールシチーはダート王としてジャパンカップダート(GI)やフェブラリーステークス(GI)を制してダート王として君臨しましたが、父としては、これが産駒初重賞制覇。ペイシャエスが父エスポワールシチーに最高の父の日をプレゼントしました。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。



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