きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 安田記念

6月9日は、北沢伸也 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は東京競馬場5週連続GI競走の締めくくり、春のマイル王決定戦の安田記念が行われました。混戦模様となった今年の安田記念を制したのは4歳牝馬ソングライン。サウジアラビアでの重賞勝利など、経験とタフな精神力を兼ね備えた乙女が牡馬をねじ伏せました。覆面歌人の京雅さんからは、この安田記念の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

安田記念 京雅

さあ強い
いざ良く耐えた
ここからだ
上手くステッキ
伸びてクビ差に

隠れたメッセージは「さいこうの いただきに → 最高の 頂に」です。
さ()あ強い(
い()ざ良く耐えた(
こ()こからだ(
上()手くステッキ(
伸()びてクビ差に(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
春のスプリント王者、砂のチャンピオンなど個性豊かなメンバーが集結した今年の安田記念。単勝オッズもその混戦を表したかのように一桁台が5頭と人気も割れていました。
そんな中、馬群から飛び出して先頭で直線を駆け抜けたソングライン。
鞍上の池添謙一騎手は「中2週でキツいローテーションだったんですけど、厩舎の方もしっかり攻めて追い切りも消化して、それにソングラインが耐えてくれましたし、今日も本当によく頑張ってくれたと思います・・・4コーナー手前から動かして行ったんですけど、直線もステッキに応えてくれましたし、よく頑張って伸びてくれたと思います。」と語っており、サウジアラビア遠征後、ヴィクトリアマイル、安田記念と激戦が続く中で脚を伸ばした相棒を讃えていました。
海外でも結果を残しているソングラインの今後の目標は、国内ならマイルチャンピオンシップ、海外ならブリーダーズカップマイルのようで、充実期を迎えているソングラインの今後のローテーションも気になるところです。

先週より競馬は夏番組に突入。すでに2歳新馬戦も始まっており、新種牡馬の参加たちが早速結果を残しています。重賞競走と共に、夏は是非、新馬の走りにも注目していただければと思います。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。


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