きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

初夏の愉しみ

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今週の桜花賞を皮切りに、日本では“競馬の華”クラシックシーズンに突入します。ファンには居ても立ってもいられないワクワクドキドキの季節がやって来ます。競馬の母国イギリスは、冬の間ファンを楽しませて来た障害シーズンを締めくくる、最後にして最大の大一番「グランドナショナル」がおなじみのエイントリー競馬場を舞台に盛大にクライマックスを飾ります。テニスのウィンブルドンと並ぶ初夏の風物詩として広く愛されている「グランドナショナル」は、障害レースの人気が高いイギリス・アイルランド圏にあっても別格の存在として畏敬されています。世界的名声を集めるダービーやキングジョージ6世&クイーンエリザベスSなどを凌ぐ国民的人気も飛び抜けて一番なら、馬券の売り上げも他を圧して、かつては日本の有馬記念を下に従えた“伝説”が伝えられているほどです。

これほど名レースがG1ではなく、格下イメージのG3に格付けされているのは「ハンデ戦だから」と単純明快な理由からです。しかしG3とはいえ100万ポンドと並み居るG1レースを超える破格の賞金を誇り、ハンデ戦ならではの推理の面白さ・奥の深さが人気をますます高め、馬券の売れ行きにドライヴをかけているのも間違いがありません。どの馬が勝つか?それ以前に完走できるかどうか?ハラハラドキドキが話題になる過酷なレースに、今年もフルゲートの40頭がスタンバイしています。

人気は軽ハンデに恵まれた(と言っても、日本では酷量レベルの67.5㌔を背負うのですが)牝馬のスノーレパーデスが現時点で1番人気に支持されています。調子を上げているエニーセコンドナウ73.4㌔と並んで、連覇を狙うミネラタイムズ74.3㌔が僅差で追いかけています。ミネラタイムズは昨年、レイチェル・ブラックモアさんが女性騎手として史上初のグランドナショナルジョッキーに輝いた馬です。昨年の恵量64.8㌔から今年は酷量74.3㌔を負担しての連覇チャレンジになります。レイチェルさんの歴史的快挙と併せて注目が高まっています。

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