きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  弥生賞ディープインパクト記念

3月10日は、金子 光希 騎手、蛯名 利弘 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は第2回中山競馬の目玉のひとつ、報知杯弥生賞ディープインパクト記念(GII)が行われました。クラシック初戦・皐月賞(GI)と同じ舞台ということもあり、クラシックに直結する重要な一戦です。覆面歌人の京雅さんからは、この報知杯弥生賞ディープインパクト記念の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

報知杯弥生賞ディープインパクト記念 京雅

力入れ
血筋もスター
乗りこなす
何とクビ差か
伸びて鮮烈

隠れたメッセージは「ちちのなの れーすかつ → 父の名の レース勝つ」です。
力()入れ(
血()筋もスター(
乗()りこなす(
何()とクビ差か(
伸()びて鮮烈(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
2020年に、レースの名称を現在の弥生賞ディープインパクト記念に変更した本競走。レース名にもなったディープインパクトは2019年の種付けシーズン中に体調を崩し、懸命な治療を行うも、この世を去りました。2019年の種付けは20数頭のため、世代としてしっかり種付けが行えたのは2018年が最後となり、その産駒たちは今年3歳を迎え、父と同じくクラシックを目指しています。その父の思いを受け継いでか、今年はディープインパクト産駒のアスクビクターモアが優勝しました。
アスクビクターモアは半姉もヨーロッパでGIを制しており、自身もセレクトセールで1億8700万円(税込み)で取引された良血馬。かかる面があるものの、闘争心があって積極的で、粗削りだけど魅力的な馬、と田村調教師が語るように、レースでは行きたがるそぶりを見せながらも、田辺裕信騎手が乗りこなし、直線早め先頭から脚を伸ばして何とかクビ差凌ぎ切ったところがゴールでした。
父が制したこのレースの優勝馬に自身の名も刻んだアスクビクターモア。向かうは父も制した皐月賞です。

3月5日土曜日には、牝馬クラシック桜花賞(GI)のトライアルレース、チューリップ賞(GII)が行われ、1番人気のナミュールが人気に応える素晴らしい走りで快勝しました。牡牝ともにクラシックに向けた戦いが加速しており、ますます目が離せなくなりそうです。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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