きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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夏から秋へ、話題の一つに新種牡馬の動向があります。昨年はディープインパクト一色だったのですが、今年の勢力図はどんな形が出来上がろうとしているのでしょうか。

目下のところ、ダイワメジャーが2歳リーディングのトップです。小倉2歳Sをエピセアロームが勝ち頭ひとつ抜けた感じです。ちょっと勝ち上がり率が低い(14.9%)ような気もしますが、自身が使われながらゆっくりと力をつけて、5歳時、6歳時に完成した晩生タイプでしたから、そうした傾向が多少とも伝わっているのかもしれません。

勝ち上がり率が36.8%と素晴らしいのがアドマイヤムーンですね。この馬の素晴らしさは類い稀な集中力にあったと思います。デビュー3連勝で札幌2歳Sを勝つなどその片鱗を見せていました。3歳時はローテーションが少しキツかったのか、クラシックや秋G1で人気を裏切るケースが目立ちました。

ところが4歳春にドバイデューティーフリーでG1初制覇すると、そこから素晴らしい集中力を発揮して半年あまりの内に、宝塚記念、ジャパンCと合計3つのG1を奪取します。好不調の波の激しい産駒が出ることもありそうですが、フィジカル面、メンタル面の双方で充実すると集中力が増し、想像を超える底力を発揮するタイプなのでしょうね。ファインチョイスが2歳重賞第1弾・函館2歳Sを勝っています。

アドマイヤマックスはG1、G2、G3、どこを走っても掲示板は絶対外さない“最強の善戦マン”で名を売りました。勝てない割には人気を背負うので馬券を買う側には、買えば来ない、買わないと来る、何とも悩ましい存在でした。鞍上も福永祐一、後藤浩樹、武豊、武幸四郎、赤木高太郎と入れ替わり立ち替わり騎乗しますが結果は同じでした。

結局、武豊騎手に手綱が戻った高松宮記念、大外18番枠から中団の外目を気分良く追走したマックスは直線で一気に弾け、前を行く全馬を交わし去ります。コース、枠順、展開などいろいろと注文のつく馬なのでしょうか。全部の条件が整うと信じられない強さを発揮する、良い意味で“一発屋”だったのでしょうか。新潟2歳Sを完勝したモンストールの直線の弾け方は、父の高松宮記念を彷彿とさせるものでした。この力が安定して出せるならとんでもない大物になります。秋の戦いぶりを注目しておきたいと思います。

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