きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 根岸ステークス

先週から第1回東京開催がスタート。開幕週を飾ったのは、冬のダート王決定戦・GIフェブラリーステークスの前哨戦の根岸ステークス(GIII)でした。覆面歌人の京雅さんからはこの根岸ステークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

根岸ステークス 京雅

目覚めたさ
猛馬ハナ追う
リード期す
あれ差し切りだ
ルート万全

隠れたメッセージは「めもりある さうすだん → メモリアル サウスダン」です。
目()覚めたさ(
猛()馬ハナ追う(
リ()ード期す(
あ()れ差し切りだ(
ル()ート万全(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
かつてモズアスコットやメイショウボーラーなど、この根岸ステークスを足掛かりに一気にダートの頂点に登り詰めた馬がいた重要な一戦。まだ見ぬダート界の頂を目指した16頭が集結した根岸ステークスを制したのはテイエムサウスダンでした。
これまで地方交流重賞を含む8勝のうち1400mで7勝あげている得意距離。積極策のジャスティンが逃げ粘る中、馬群で折り合い、しっかりと進路を確保(ルート万全)し、猛然とハナを追うテイエムサウスダン。見事な末脚を披露すると、ラスト100mでジャスティンをきっちり捕らえて、あっぱれな差し切り勝ちを納めました。
これまで地方交流重賞4勝と実績を積み重ねながら、中央の重賞タイトルには縁がありませんでしたが、ここで初中央重賞制覇のメモリアル。さらに鞍上の岩田康誠騎手はこの勝利でJRA通算1700勝とメモリアル尽くし。地方出身の岩田康誠騎手が得意のダート戦でテイエムサウスダンをエスコート。本番のフェブラリーステークスでも楽しみな存在となりました。

今週末は東京競馬場で東京新聞杯(GIII)、中京競馬場できさらぎ賞(GIII)が行われます。東京新聞杯はインディチャンプやリスグラシューなど近年、GIでの活躍馬を多く輩出しており、ここの勝ち馬は今後の活躍でも目が離せなくなりそうです。是非、来週の和歌もお楽しみに!!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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