きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

日の丸は何本あがる?

2月25日は、田中 勝春 騎手、藤懸 貴志 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

日本調教馬の“世界遠征ツアー”第1弾となるサウジカップデーは、明日サウジアラビア・リアドのキングアブドゥルアジーズ競馬場で開催されます。残念ながら日本国内での馬券発売はありませんが、2020年の第1回以降、日本馬が目覚ましい活躍を披露している国際レースです。世界的なコロナ禍の苦難の中で創設され、人馬とも理想のラインアップを組むのにも並大抵の苦労ではなかったでしょう。サウジアラビアのジョッキークラブの皆さん、世界のホースマンの方々の営為に敬意を表します。そのお陰もあって、日本調教馬たちが成長へと向かう新たな道が大きく拓けました。少しずつですがコロナが呪縛が解け始め、今年からメインのサウジカップはG1、他レースもG3に正式に格付けされたのも追い風となって、リヤドに集結するサラブレッドの質も着実にレベルアップしてきました。手綱を執るジョッキーもいずれ劣らぬ腕達者揃いです。こうした中で、今年は果たして何本の日の丸をキングアブドゥルアジーズの空に翻させられるでしょうか?

第1レースは芝2100mのG3ネオムターフC、2年前に大本命に推されたディアドラがまさかのハナ差2着に敗れた因縁の一番です。仇討ちに乗り込んだ日本馬オーソリティは左回り中長距離なら底力有数のステイヤー。晩成の血を開花させそうです。続く第2レースの1351ターフスプリントは、名称通り1351mの距離で瞬発力を競います。G1NHKマイルC2着やG2富士S勝ちがある“キレモノ”ソングラインを筆頭に、スプリント界の“クセモノ”ラウダシオン、フランスのG1フォレ賞3着の殊勲が光るエントシャイデンなど楽しみなメンバーが揃いました。日の丸期待ですね。

後半戦は日本馬以外は勝ったことがないサウジダービーを皮切りに熱戦が続きます。ケンタッキーダービーへの出走権争いでポイントを稼いでいるパインハーストが強そうです。ボブ・バファート厩舎はドーピング騒動で出走が微妙になり、賞金の高いこちらに照準を切り換えたのでしょうが、本場ダートホースの実力は一枚上です。日本からはコンシリエーレとセキフウがエントリー、果たして日本馬3連覇の偉業を達成できるでしょうか?続くリヤドダートスプリントは、昨年も末脚を光らせたコパノキッキングが名手ウィリアム・ビュイックを鞍上に迎え連覇に自信満々ですが、ルメール起用のダンシングプリンス、若さに似合わず海外経験豊富な坂井瑠星ジョッキーのチェーンオブラブとチーム・ジャパンは多士済々の顔ぶれで挑みます。

1着賞金11億円超と飛び抜けた世界一を誇るサウジカップは本当に強い馬がやって来ました。連覇を狙うイギリスのミシュリフが有力なのは無論ですが、前出のドーピング騒動でケンタッキーダービー繰り上がり優勝が決定したマンダルーンも、ここを勝って文句のないワールドチャンピオンに君臨したいところです。ジュドモントファームの所有馬で芝のフランケルと並び、今は亡き怪物アロゲートの後継種牡馬としての期待も膨らみます。日本は絶好調テーオーケインズがドバイワールドカップをパスしてここ一本の背水の陣で臨みます。相手は強いですが、日本代表馬渾身の意地を見せてほしいですね。

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